【ハーブと豆、それにうどんをどろどろになるまで煮込んだアーシュレッシテ。たまねぎを揚げたものや、キャシクと呼ばれる酸味のある乳製品をかけて食べる。(撮影:筆者)】

teheran_diary0001大村一朗のテヘランつぶやき日記 イラン断食日記(2)2011/08/03

断食月ラマザーンが始まって3日が過ぎた。この3日間は、空腹と喉の渇きよりも、睡魔とのたたかいになった。出社は昼なので、断食開始前の午前4時に朝食を食べてから5時間は眠ることが出来るのだが、全然眠った気がしない。目覚めると身体が重い。食べてすぐ横になっても、胃が働いているため熟睡できないのだろうか。

断食をしている職場のイラン人に何を食べてきたのか尋ねると、意外にも、普通の朝食だという。ナンにバターやジャム、牛乳、それに甘いナツメヤシの実を加える。軽いながらも、栄養価の高いものを食べるのがコツらしい。僕はといえば、その日の空腹を恐れるあまり、腹いっぱい夕食並みの朝食を取っていた。

そういうイラン人もいるが、その場合は、朝食後眠らず、お祈りをしたり、コーランを読んだりして夜明けまで過ごすのだという。
午後7時過ぎになると、私の勤め先では、全ての部署に、断食明けの軽食エフタールが配られる。パック入り牛乳に、ナツメヤシの実や、揚げ菓子バーミエが付く。一日の断食を終え、本格的に夕食を食べる前に、このエフタールで胃を慣らすのだ。だが、日没のアザーンまでまだ時間があるので、食べるわけにはいかない。

今日は残業もせず、7時半に退社し、自宅に向かう。近所の商店街では、食堂や生ジュース屋が開店準備を始め、昼間とは打って変わって活気付いている。菓子折りを抱えて家路を急ぐ人たちの姿が目立つ。油で揚げ、シロップをまぶした各種の甘いお菓子をエフタールで食べるのだ。

食堂やファーストフード店の店先には、アーシュレシテと呼ばれるハーブと豆の煮込みや、ハリームと呼ばれる七面鳥の煮込みの大なべが置かれ、行列が出来ている。ラマザーン月に多く見られる料理で、これもエフタールで食す。一ヶ月に渡って、日中、全ての飲食店は店を閉じるが、夕方から売り出すこのラマザーン月専用料理で、十分、いや、普段以上の収益があるという。

午後8時28分、テヘランの断食明けをテレビで確認し、コップ一杯の甘い抹茶ミルクを飲み干す。
何はともあれ、3日目が終わった。空腹も乾きも、耐えられる範囲だ。体調と睡眠を管理していくことが、当面の課題だ。