サウジアラビア東部の町アワミヤで、反政府武装組織「アワミヤ自由軍」が創設されたとする情報が、ツイッターやフェイスブックを通じて広まっている。イラクの独立系ニュースサイト、イラク・アルカノンの報道として、イランの準国営ファールス通信が伝えた。

サウジアラビアはイスラム教スンニー派の一つ、ワッハーブ派を国教としているが、ペルシャ湾に面する同国東部州ではシーア派人口が約半数を占め、同州のカティーフ地区を中心に、近年、シーア派住民による反政府デモが発生している。
「アワミヤ自由軍」は、カティーフ地区の町アワミヤに拠点を置き、今後、各地の政府関連施設や軍事基地に攻撃を開始すると発表している。また、同軍の創設は、サウジアラビアの著名なシーア派聖職者シェイフ・バーゲル・アルヌマル師を支持する若者たちによるものとされる。

シェイフ・バーベル・アルヌマル師は1968年にアワミヤで生まれ、青年期をイランとシリアの神学校で学んだシーア派高位聖職者。サウジアラビアに帰国後はアワミヤに宗教センターを設立し、同都市の金曜礼拝導師を務める。反政府的言動から過去数回、サウジアラビア政府によって投獄され、現在も獄中にある。

イラン政府はこれまで、サウジアラビア東部のシーア派住民による反政府デモを支援しており、シェイフ・バーベル・アルヌマル師との繋がりは明らかだ。今回の「アワミヤ自由軍」が実際に創設されたのであれば、イランの関与が疑われる。
イランの孤立化を狙うサウジアラビアは、イランの同盟国であるシリアの内乱に介入し、「自由シリア軍」をはじめとする反政府勢力を強力に後押ししてきた。今回の「アワミヤ自由軍」の旗揚げは、サウジの足元の火種を煽ることで、シリアから手を引かせるねらいがあると見られる。
(大村一朗)