イランで、ロシアの長距離地対空ミサイルS‐300に類似するミサイル防衛システムの開発が進められている。
イラン全土の防空施設を統括するハタム・アルアンビア防空基地のエスマーイリー司令官は3日、「S‐300より優れた能力を持つミサイル防衛システムを開発中であり、現在30パーセントの作業が終了している」と語った。国営イルナー通信をはじめ、国内各メディアが報じた。

S‐300はロシアの長距離地対空ミサイルで、2007年にイランへの売却契約が結ばれたが、国連安保理でイランへの武器輸出を禁じる対イラン追加制裁が採択されると、この売却契約はロシア側によって一方的に破棄された。
エスマーイリー司令官は、「S‐300の売却が中止されたことから、その頃からわが国でそれに類似したシステムの開発が始められた」とし、「レーダー、索敵システムについてはすべての作業が終了し、来年には完成を報告出来るだろう」と述べた。

イランの核施設への空爆を検討しているとされるイスラエルは、イランが高度な地対空ミサイルを入手することを極度に警戒しており、今回のような発表は、イスラエルに空爆を急がせることにもなりかねない。 これらを考慮すると、イラン側は現在、空爆を想定しておらず、あくまで核問題の交渉を有利に展開し、欧米諸国の制裁を回避することに主眼を置いているとみられる。 また、イスラエルを過度に刺激することで、同国とアメリカとの温度差を広げ、イスラエルを孤立させる狙いも見え隠れする。
エスマーイリー司令官はさらに、国軍と革命防衛隊による合同対空防衛演習が今年10月後半に実施されると発表した。
(大村一朗)