◆胃の痛い日々

2009年6月。大統領選挙の投開票を機にイラン全土で騒乱が発生してからというもの、妻には外出を極力控えるよう言っていた。それまでは、子供を連れて市内どこへでも自由に出かけていた妻だったが、しばらくは用心するに越したことはない。仲の良い日本人のママ友の家に遊びにゆくにも、バスで主要なロータリー広場を経由しなければならず、そうしたロータリーは常に抗議デモの舞台になっていたし、いつ小さな小競り合いが起きてもおかしくないからだ。

ペルシャ湾産の謎の小魚で妻がこしらえた干物。あぶって食べると美味だった。

ペルシャ湾産の謎の小魚で妻がこしらえた干物。あぶって食べると美味だった。

外出を控えるようになってからは、妻は家での時間を充実させようと努力した。ちょうど旬を迎えていたサワーチェリーを市場で大量に買ってきてコンポートを作ったり、やはり大量に買ってきた名前も知らない小魚で干物をこしらえてみたり、糠漬けを漬けたり、放置されていたグリルに初めて火を入れ、ピザを焼いてみたり、五平餅のようなものを焼いてみたり……。

続きを見る...

 

<【連載】イランを好きですか?>記事一覧

この記事は会員記事です。
すべての写真、記事、動画をご覧になるには、有料会員登録が必要です。
会員の方は、ログインしてください。