ガズニで農村部の警備に向かう武装警備団の男たち。(2002年撮影:アジアプレス)

数十年もの戦争のなかで生きてきた家族にとって、女児を地方に嫁に出すことは「疎開」を意味してもいたし、少なくともその子は明日の食べ物に困ることはなくなる。こうした背景を無視して、「人身売買だ」と言い切ってしまうのは短絡的な見方である。

日本の結納金というしきたりも西洋的な視点だけで見れば「売買契約金」という解釈も成り立つだろう。
アフガン社会にも目を向けながら、番組のなかでザルミーナをどういう女性として描くのか。
私とカーラは、議論をかさねた。

彼女はザルミーナを悲劇の女性ととらえ、タリバン政権によって殺された犠牲者という側面を強く押し出そうと考えていた。
ニューヨーク貿易センタービルに航空機が突入したあの9・11事件からまだ1年もたってはいない。再三にわたるアルカイダの引渡し要求を拒むタリバンと、その圧政を強いられているアフガニスタン市民。

アメリカ人の彼女にとって、「タリバン=巨大な悪」というイメージが、頭のなかにあったように思う。
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