カブール市内にあるウェラヤット刑務所女性受刑棟。(2002年-撮影:アジアプレス)

 

部屋はすべて雑居房で、数人が一緒に入れられている。
とくに労働が課せられているわけでもないため、他の受刑者と話をしたり、自分の食事を作る以外は、この閉ざされた場所をただ座って過ごすしかない。
刑務官も服役囚も私服なので最初は区別がつかなかったが、しばらくすると、厳しい顔つきの女性が刑務官で、悲しそうな顔をしているのが囚人だとわかるようになった。

売春罪で服役していた受刑者は、「顔を見ないでください」とかぼそい声でつぶやき、私から目を背けた。
疲れきったようなうつろな瞳が黒いベールから覗く。彼女たちは多くを語ることはなかった。

だが、そのなかに「私は冤罪です」と、私に打ち明ける若い女性がいた。
タクシーに乗ったところ運転手に体を触られそうになり、声をあげて騒いだら、集まってきた人に売春婦と勘違いされて捕まり、4年半服役することになったという。
冤罪を晴らす手立てもないまま、刑務所に入ることになった者も少なくない、と話した。

鉄格子の中から見た景色。当時、ザルミーナが拘置されていた雑居房には4人の女性がいた。(2002年-撮影:アジアプレス)

だが、そのやりとりを傍らで聞いていた刑務官は大声を張り上げ、彼女を罵った。
「そんな話は嘘だ。たくさんの男と寝た売春婦のくせに!」
彼女はコーランに誓って、嘘はついてない、と涙を浮かべた。

この隔離された場所では何が真実かはわからない。
しかし、いったん売春婦とみなされれば、ずっと蔑みの目で見られなければならないのは、アフガン社会の現実でもあった。
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