◆なぜ西サハラに直接接触しないのか

サハラ・アラブ民主共和国(RASD)の外相ウルド・サーレク氏は、「次に、経済について」と、話を続けた。

「西サハラはアフリカの中で最も豊かな国の一つです。天然ガスと石油が埋蔵されています。西サハラの沿岸には、アフリカで最も豊かな漁場があります。ここでモロッコが不法操業して獲った多くの水産物が日本に送られています。また、ダイヤモンドや金などの貴金属も、西サハラにはあります」

つい先日、水産業界紙に輸入タコの産地の考察を促すコラムが掲載されていた。西サハラの豊かな海の幸が、西サハラ産だと気づかれないまま、ずっと日本に届けられてきた。

西サハラ沿岸のダーフラ港には、たくさんの魚が揚がる。(2018年撮影:岩崎有一)

「昨今、アメリカをはじめとする大国の企業の中には、(西サハラの民である)サハラーウィと契約を交わすケースも生まれてきました。なぜ日本企業は、モロッコとだけ契約をし、サハラーウィと契約をしないのでしょうか。今回、サハラーウィの大統領にコンタクトをとった企業はひとつとしてありません。(日本とRASDとの)政治的な繋がりがなかったとしても、企業としてコンタクトすることはできたのではないでしょうか」

日本企業がRASDと契約を交わすのは、すぐには難しいだろう。しかし確かに、RASD大統領と言葉を交わせば、多くの気づきを得ることはできる。
サーレク氏は「日本は今、戦略を持った行動を失いつつあります」と語り、話しを次のように結んだ。

「攻撃的なのは、誰なのでしょう。私たちでしょうか。モロッコでしょうか。日本は国際法に反し、そして、アフリカに対して攻撃的になりつつあるのです。(日本のとる行動は、)論理的でも政治的でも技術的でもありません。」

サーレク氏のインタビューは多岐にわたった。ここではアフリカ開発会議(TICAD7)初参加に関わる点にしぼり、こちらもいったん結ぶ。