6月14日に行われたイランの大統領選挙で次期大統領に選出されたハサン・ロウハニ師が、新たな政権の閣僚人事に取り込んでいる。

tehran enkei.jpg【初夏のテヘラン 撮影:大村一朗】

様々な憶測が伝わる中、ロウハニ師の閣僚人事委員会に近い情報筋の話として、政府系タスニーム通信が閣僚候補者名を伝えた。
注目すべき閣僚候補者として、まず第一副大統領に、今回の選挙で投票日直前に立候補を辞退した改革派のモハンマドレザー・アーレフ氏が挙げられる。

また、情報大臣にはハタミ政権下でも情報大臣を務めたアリー・ユーネスィー氏。外務大臣には、ロウハニ師を支持した改革派政党・穏健発展党のマフムード・ヴァーエズィ氏、現職のアリーアキバル・サーレヒー大臣、ハタミ政権下でフランス大使や大統領顧問を務めたモハンマド・サーデグ・ハラーズィー氏の名が挙がっている。

内務大臣には、マジード・アンサーリー氏とアスハーグ・ジャハーンギーリー氏(それぞれハタミ政権下で司法・国会担当大統領顧問、産業大臣を担当)。また、経済財政大臣には、穏健発展党の事務局長で、今回の選挙でロウハニ師を支持したラフサンジャニ元大統領に近いモハンマドバーゲル・ノウバクト氏が、また、メディア検閲などを担う文化イスラム指導大臣には、保守派の議員でありながら2009年の大統領選挙後の騒乱で政府の弾圧を厳しく非難したアリー・モタハリー氏の名が挙がっている。

核問題の交渉責任者を務める国家安全保障最高評議会書記には、外務大臣候補にも挙がっているアリーアキバル・ベラーヤティ最高指導者顧問の名が挙がる。
今回の選挙でロウハニ師当選に多大な功績があったハタミ元大統領とラフサンジャニ元大統領本人の名前は閣僚候補者に含まれていないが、この二人に近い人物らが多く配されているほか、最高指導者の意向も十分に汲んだ内容となっているようだ。また、その他の閣僚には、現職の大臣らも複数含まれている。
イランでは、閣僚候補者名簿は大統領宣誓式から1週間以内に国会に提出され、その信任投票を受けなければならない。大統領宣誓式は8月3日に行われる予定だ。
【大村一朗】

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