在日朝鮮人の「特権」剥奪を主張する「在日特権を許さない市民の会」(在特会)をはじめとする排外主義団体。彼らが毎週末、各地で街宣活動を繰り広げる一方で、それに反対を唱え、「カウンター」と称する反差別デモを行う動きも広がっている。(ラジオフォーラム リ・シネ)

5月25日、元日本軍慰安婦のハルモニの証言者集会への差別排外情宣にカウンターを行う人々 撮影 リ・シネ

5月25日、元日本軍慰安婦のハルモニの証言者集会への差別排外情宣にカウンターを行う人々 撮影 リ・シネ

 

◆桜井会長に突撃インタビュー
5月5日、神戸・三宮で排外主義グループにより行われた、「三ノ宮定例街宣『韓国、北朝鮮への幻想的迎合を捨てろ!我々日本人は冷静に韓国朝鮮人の正体を知ろう!!』」のすべての街宣が終ると、私は在特会の桜井誠会長に近付いた。情宣の冒頭で彼は、取材中の私に罵声を浴びせていたが、その相手が、まさかインタビューを申し込んでくるとは思わないだろう。

「今日はこのぐらいにしといてやるか」
などと笑いながら参加者と談笑していた桜井会長に、
「インタビューしたいんですけど、いいですか?」
と背後から声をかけた。

振り返った桜井会長は声を荒げた。
「まず私に謝罪しなきゃだめじゃないか!」
以前私が書いた在特会らの新大久保でのデモについての記事がデマであり、謝罪しろというのだ。

いろいろ調べたうえで記事を書いており、デマではないと思うので謝罪はしないと伝えたところ、
「真実か証明できない記事はでたらめだ、ありもしないことをさもあったように言うのは誹謗中傷だ」
と桜井会長は激昂した。

私は「在日特権というありもしないことを言う方がでたらめだ」と返した。
桜井会長は
「入管特例法は特権だ。漢字で特別法と書く。特別法とは特権のこと。あなたは日本人じゃないから漢字が分からないのかもしれないけど。漢字の勉強をしなさい、小学校からやり直して。以上!」
と一気にまくし立て、一方的に話しを終わらせてしまった。

入管特例法は、植民地支配により日本に移住を選んだ在日コリアンの救済措置でしかない。植民地支配で国を奪われ「日本人にならされた」在日朝鮮人は、戦後、今度は一方的に日本国籍を奪われた。そういう部分がすっぽり抜け落ちて、特例法を特権と叫ぶのは愚かしいと思う。
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