大阪維新の会主催のタウンミーティングで壇上に上がった橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事。2月大阪市内にて 撮影鈴木祐太

大阪維新の会主催のタウンミーティングで壇上に上がった橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事。2月大阪市内にて 撮影鈴木祐太

◆大阪市民は行政権限失い大打撃 

大阪府立大学名誉教授の小林宏至さん(農業経済学)は、大阪維新の会が「二重行政」の具体例とする大阪府立大・大阪市立大について言及。
「橋下氏が自ら立ち上げた『大阪府市新大学構想会議』の2013年1月の『提言』には、両大学は『公立大学の使命である地域貢献について高い評価を得てい る』と記述されている」として、両大学が公立大学としての役割を発揮しながら存在してきたことを強調し、「二重行政」批判を一蹴した。

立命館大学教授の平岡和久さん(地方財政学)は、道府県と政令市を調査してきた実例を紹介しながら「多くの場合、『二重行政』は問題になっていな い。そもそも政令市を解体する理由にはならない」と断言。「理由にならない理由で大阪市が廃止され、市民は共同体としての大阪を失いバラバラにされたうえ に、共同体が持つ大都市行財政権限を失う。その損失は計り知れない」と訴えた。
◆二重システムは先進国の常識

「府県と市の『二重システム』は先進国の常識」だというのは立命館大学教授の村上弘さん(行政学・地方自治論)。人口1000万人程度の大都市圏の 中に200万~300万程度の中心都市がある例として、パリやミラノ、シカゴ、台北などの有力都市の例を挙げた。「エンジンが2つから1つになり、2人の パイロットの1人がコックピットから追い出されたら、どうだろうか。行政サービスも下がるが、大阪の力自体も下がっていく」
(続く)

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