
2009年6月15日にテヘランで行なわれた改革派のデモ行進。約50万人が参加。改革派弾圧に大きな役割を果たしたバスィージ(市民動員軍)の施設前でピースを掲げる改革派市民。日没後、一部で騒乱が発生し、改革派側に7人の犠牲者が出た。
◆6.15デモ
アフマディネジャード大統領の勝利集会が行われた日の夜、二つの重要な出来事がテヘランで起こっていた。一つは、改革派候補のミールホサイン・ムー サヴィーが最高指導者ハーメネイー師に対し、選挙結果について直接意義申し立てを行ったこと。そしてもう一つは、テヘラン大学学生寮の襲撃だった。
ハーメネイー師とムーサヴィー候補の会談は、一夜明けてから大きく報じられた。ムーサヴィーはこの会談で、今回の選挙におけるいくつかの不正の事例 をハーメネイー師に説明し、ハーメネイー師はこれを受けて、選挙結果を承認する法的権限を持つ護憲評議会でそれらの問題を精査すると約束したという。
襲撃を受けたテヘラン大学学生寮は、改革派学生の拠点であり、1999年の騒擾事件でも中心的役割を果たし、その当時も暴力集団による襲撃を受けて いる。今回も、改革派、特にムーサヴィー候補の支持学生の多くがこの寮に住んでいたはずだ。昨夜未明、学生たちが寝静まった時間、突如、私服の集団が寮を 襲撃したという。死者数名、さらに200名近い学生が連れ去られた。このため、今日予定されていた期末試験が多くの学部で延期されたほどだ。