1月6日に突然の核実験を強行した後、北朝鮮メディアには中国への強い反発が続々と現れて来る。この日、北朝鮮メディアは金正恩氏が核実験命令書に サインしていたことをわざわざ写真入りで報じたが、サインしたとされる日付は昨年12月15日であった。モランボン楽団の北京公演ドタキャンの3日後だ。

1月7日付の労働新聞。核実験の正当性を主張する論説には、次のような一節があった。
「これまで、米国の核脅威・恐喝を受けるわが国をどの国も救おうとしなかったし、同情もしなかった。わが軍隊と人民は厳酷な現実から、自分の運命はもっぱら自力で守らなければならないという鉄の真理を心に深く刻み付けるようになった」

「どの国」が中国を指しているのは間違いない。

さらに、1月11日放映の朝鮮中央テレビの映像では、昨年10月の党創建70周年記念式典に出席した中国の劉雲山の姿が消されていたと報じられている。そして前述したとおり、中国の6カ国協議首席代表の武大偉氏が平壌を訪問したその日に「ロケット」発射を予告した。

これらのことから、このタイミングでの核実験強行には、金正恩氏の中国に対する反発、あるいは強いメッセージがあったことが容易に理解できる。それ では、なぜ金正恩氏は中国への反発を露わにしたのだろうか? そこには、5月に予定される党大会に合わせて内外に「一人前の強い指導者」であることを示したい金正恩氏の自己顕示欲があったと思われる。

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