◆「検査済み」製品は安全か?

アマゾンジャパン広報本部は「お客様の安全を最優先に考えており、該当の商品はすでに販売を停止しております」と2月2日、電子メールで回答。購入者には「個別にご連絡をしています」「自主回収などについては、お客様に改めてご連絡させていただきます」としている。販売時期や停止時期、販売数は答えなかった。

「検査済み」で安全と主張していたJASKIVIが実際にアスベストの有無を検査していたのかも「調査中」(同省)。2月12日にも改めて確認したが、「お話できるような進展がない」(同)という。

アマゾン側は「販売事業者に対しすべての法律や規制、アマゾンの規約を遵守することを求めています。販売されている商品の安全性に懸念がないかを監視しています。また状況に応じて、サイトから出品を取り下げたり、販売事業者、メーカー、政府機関と連携し、さらなる情報を求めるなどの措置を講じています」などと一般論を繰り返すだけ。

かろうじて同社は利用者から連絡があったり、必要があれば「調査を実施します」と回答。分析結果の提出も「状況に応じて講じております」と明かすが、出品前に提出させているかどうかは明言せず。また今回の件の事実関係についても一切説明しなかった。

現状では厚労省調査で発覚した2者の原因究明どころか、JASKIVIの分析結果が存在していたのかすらまったくわからない。ただし回答からはおそらく出品前にあらかじめ分析結果を提出させる仕組みにはなっていないことがうかがえる。

安衛法第55条では基準を超えるアスベスト(を含む製品)の製造・輸入・譲渡・提供・使用を禁じている。アマゾンをはじめとするネット通販サイトが売買の場を提供しているだけだとしても、「譲渡・提供」の禁止規定に抵触する可能性がある。製造者や出品者だけでなく、通販サイト側もどのように法の履行のために取り組んできたかが問われうる。

アマゾン側で独自にアスベストの分析調査を実施しているのか、あるいは今後そうした再発防止を講じるのかも尋ねたが、最初の回答が繰り返されただけだった。肯定しなかったことから、そんな手間と費用を掛けるつもりはないということだろうか。

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