1. ニカラグア革命40周年式典で、FSLN党旗を掲げる支持者の若者 (ニカラグア・マナグア市、2019年7月)

◆バチカン大使、国外追放さる

追記。2022年3月12日、ニカラグア政府は、バチカンの駐ニカラグア大使であるヴァルデマー・ゾマタグ氏を国外追放した。ゾマタグ大使は、反政府抗議活動が全国に拡大した2018年以降、政府と反政府派の仲介者として、政治犯釈放や和解を訴えてきた。今回の追放決定に対してバチカンは「理解し難い」処分であるとし、遺憾を表明した。ニカラグアのカトリック教会はこれまで、反対派への弾圧を強める政府を批判し、法を遵守するよう求めてきた。その中で司祭が迫害され、複数が国外に亡命している。( 続く 8へ

 

ニカラグアの40年
左翼ゲリラ・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)を率いたオルテガ氏は1979年、ソモサ一族による独裁政権を倒し革命を成功させ、84年、大統領に初当選。90年の選挙で敗北するが、06年に大統領に復帰すると、14年、大統領の再選禁止規定を撤廃し、17年には夫人を副大統領にした。18年の反政府デモへの武力鎮圧では300人以上が死亡するなど、強権的な独裁政治が批判される。21年の大統領選で勝利し、4期連続5回目の大統領に就任した。

柴田大輔(しばた だいすけ)
フォトジャーナリスト、フリーランスとして活動。 1980年茨城県出身。2006年よりニカラグアなど、ラテンアメリカの取材をはじめる。コロンビアにおける紛争、麻薬、和平プロセスを継続取材。国内では茨城を拠点に、土地と人の関係、障害福祉等をテーマに取材している。

 

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