大手建材メーカー・ノザワ(神戸市)は1月12日、全国展開しているミネラル肥料「マインマグ」に強力な発がん物質であるアスベスト(石綿)を含有している「おそれが高い」と発表した。(井部正之)

一転してノザワがアスベスト含有の「おそれが高い」と発表したマインマグ。いずれも筆者が3社に依頼した分析で白石綿の含有が確認された

◆一転し石綿含有「おそれ高い」

マインマグは「蛇紋岩を原料とするミネラル肥料」だが、その原料は石綿採掘後の廃棄物「鉱さい」であり、もともと石綿の1つ、クリソタイル(白石綿)を含む。それを「焼成」という熱処理により「無害化」した製品とされる。当然、無害化処理が不十分であれば、製品に石綿が含有されてしまう。

発表によれば、2022年3月から4月に製造販売した「マインマグC」および「マインマグmini」の一部に「法令の基準を超える石綿が含まれているおそれが高いことが判明いたしました」という。

同社はマインマグCおよびマインマグminiなど関連8製品から同社および第三者機関の検査で「石綿が検出されたことはありませんでした」と改めて表明。現在、すべてのマインマグ製品の出荷を停止し、各製品について改めて第三者機関で石綿の有無を調べているとした。ただし石綿含有の詳細については具体的に言及していない。

製品を保有している場合、直ちに使用を中止し、2重にしたビニール袋に入れて、テープなどで密封して廃棄せずに保管するよう呼びかけている。同社は製品回収の方法などについて「検討中」としており、改めて公表するとしている。

問い合わせは同社マインケミカル事業部(電話0167-42-2231、午前10時~午後8時)、経理部IR室(電話0120-952-774、平日午前10時~午後5時)まで。

筆者は同社オンラインショップで2022年3月に購入したマインマグCとマインマグminiを3つの分析機関で検査し、基準を超える石綿を含有していたことを1月4日にアジアプレス・ネットワークやヤフーニュースで報じた。同社は石綿含有を否定していたが、実際に含まれていた白石綿の顕微鏡写真を記事に添付していたことなどから、石綿含有を認めざるを得なくなったのだとみられる。

【関連写真】ノザワの肥料「マインマグ」のアスベスト含有を示す顕微鏡写真など

 

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