◆農民との関係改善に神経使う軍隊

――都市部では兵士によるたかり行為や強盗が問題になっています。

「軍民関係の改善にとても神経を使っている様子でした。兵士が農場で問題を起こしたら、指揮官を撤職(解職)すると通知があったそうで、部隊の中では「盗みを働くなら他所の農場でやれ。駐屯している村では絶対にするな」と指示があったそうです。

B農場では、5月に鶏を一羽盗んで食べた兵士が降格され、所属していた小隊が、農村から元の部隊に復帰させられたそうです。兵士たちも元の部隊に戻るとまともに食べられないのが分かっているで、規律が緩い農場で野菜でも食べている方がましだと考えて、今は盗みもほとんどないとのことでした」

 

――兵士たちは配置された農場で十分に食べられていますか?

「いえ、軍隊も食糧の供給が足りていませんよ。B農場の部隊は小麦と大麦を食べていましたが、兵士たちは腹がへるので川で魚を捕まえたり山菜を採ったりしていました。農場でも副食物(おかず)を支援してあげていました」

 

――農民にすれば腹を空かせた兵士は恐ろしい。

「軍部隊の方でも気を使っていました。薪など焚き物の用意や個人の畑の草取りなんかを兵士に手伝わせていて、農民たちとの関係はますまず良いようでした。軍隊が外から来る人間を統制して、食糧の持ち出しを警備してくれるので、『兵隊たちさえ盗みをしなければ、今年は泥棒の心配をしなくてもよさそうだ』と農場員が言っていました」

 

当局が軍部隊を農村に配置しているのは、協同農場から食糧が流出するのを防ぐのが目的だ。8月後半からトウモロコシの収穫が始まるが、あらかじめ、国家保有食糧の目減りを防ぐ準備体制をとっているということだろう。

アジアプレスでは、農村への軍部隊の駐留について、咸鏡北道の他、両江道(リャンガンド)、平安北道(ビョンアンプクド)のいくつかの農場で確認したが、全国的な措置なのかはわからない。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

北朝鮮地図 制作アジアプレス

 

 

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