
◆ドローン飛び交う前線
飛び交う小型自爆ドローン。前線地域の幹線道は防護ネットで覆われ、上空からプロペラの音が響くと兵士たちは散弾銃で身構える。変わりゆく戦場の姿を最前線の現場で見つめた。全4回 3/4(取材・写真:玉本英子)

◆「ドローン戦が自分の”最初の戦争”」
ロシア軍との熾烈な戦いが続く東部の前線地帯。ドネツク州のウクライナ軍ドローン部隊の前哨拠点に入った。
空き家になった民家に入ると、複数のドローンとアンテナ機材が無造作に置かれていた。機体を見せてくれたのは20歳の兵士で、隊内での呼び名はバンデラ。民族運動指導者、ステパン・バンデラにあやかったものだ。所属する第28独立機械化旅団は、激戦地コスチャンティニウカ(コンスタンチノフカ)でロシア軍との熾烈な戦いを繰り広げている。


【動画・ウクライナ軍装甲車を狙うロシア軍ドローン】 ドネツク州の激戦地コスチャンティニウカ(コンスタンチニフカ)で、ウクライナ軍装甲車(キルピ)に突っ込んでいく。遠方から一直線に標的車両に向かっているが、これは偵察ドローンが伝える位置情報をもとに連携しているとみられる。自爆機は上空で一時静止し、後部ドアが開いたタイミングでわずかな隙間から兵士を狙う。右の建物はコスチャンティニウカ第15学校。(2025年・ドネツク州コスチャンティニウカ・ロシア軍映像)
彼は言う。
「小さなドローンが、何百万ドルもする戦車をも破壊できる時代になったんだ」
現在、旅団の無人システム大隊スパラフ(閃光)部隊でロシア軍車両や戦闘拠点をドローン攻撃する任務につく。学生のとき、侵攻が始まった。その怒りに突き動かされ、自ら志願して1年任期で入隊。とくに電子工作に関心があったわけではないが、趣味で民生用のMAVICドローンを飛ばしていた経験もあって、無人機運用部隊に配属された。その後、任期を延長した。

有線式ドローンで建物内に侵入し、ロシア軍戦車に接近して破壊。無線式ドローンの場合、建物内や木々の生い茂った場所に入ると信号が途切れることがある。有線式は搭載タンクで機体が大きくなるものの、信号が維持され、標的を破壊できるという。(2025年・第28独立機械化旅団映像)
当初、ドローンはおもに偵察用だった。上空からの偵察情報をもとに敵の動きや位置を把握し、歩兵部隊が奇襲をかけたり、後方から砲撃を加えたりといった使われ方だった。その後、上空からの小型爆弾投下、さらに自爆攻撃へと、戦術は多様化した。この新たな兵器をどう戦闘に組み込むのか。その「教科書」はまだなく、いま自分たちの実戦の経験から模索しているという。

「自分にとっては、ドローン戦が“最初の戦争“だった。戦車戦のような古典的なスタイルの戦争を経験したことはない。この前、ロシア国内に潜入したウクライナ情報機関要員がロシア軍爆撃機を、ドローンでことごとく破壊しただろ。あれこそドローンの可能性を発揮した戦いだ」

























