
◆レズビアン・ブロガーの闘い
戦時下のウクライナに生きる性的少数者たちを見つめるシリーズ第3回。 「苦しい時でも前向きに」「誇りをもって生きよう」。レズビアン・ブロガーが発信を続ける思いとは。(敬称略・取材・写真:玉本英子)

◆自分らしく生きることは罪悪じゃない
オデーサ市内の待ち合わせ場所に、トヨタ・レクサスを運転して颯爽とやってきたマルゴ。たくましい体格に黒いジャケット、サイドを大胆に剃りあげたツーブロックのヘアスタイルが凛々しい。
不動産業で働くマルゴは、レズビアン・ブロガーとして知られた存在だ。インスタグラムとTikTokをメインに発信を続けている。インスタを始めたのは8年前。最初は料理の簡単レシピなど、なにげない日常の投稿だった。次第に性的少数者が誇りをもって生きていく意味をつづるようになった。
「自分らしく生きることは罪悪じゃない」
「愛は恐怖よりも強い」
メッセージはLGBTQコミュニティに広まり、共感のコメントがいくつも寄せられるようになった。
マルゴは言う。
「誇りをもって生きよう。そんなあたりまえのことができないなんて間違ってるよ、という思いだった。画面の先に、同じ思いの人がこんなにいたのかと知った。それでSNSの場をメインにブロガーとして発信に注力するようになった」

◆「地獄の業火に焼かれて死ね」
社会的な偏見や差別に直面しても自分を責めず、胸を張って生きようと訴えかけた。「LGBTQあるある」といった話題もおりまぜ、インスタグラムとTikTokで発信を続けた。前向きなメッセージに加え、自身の精神的な葛藤、社会への違和感を毒舌や皮肉を交えてつづった文章は、「トゲはあるけど嘘がない」と人気を呼んだ。だが、フォロワーが増えるにつれ、ネガティブなコメントも書き込まれるようになった。


「ひどいコメントは全体の1割ぐらい。でもそのわずか1割がすさまじい。あらゆるヘイトを凝縮したような、憎悪と悪意に満ちた”言葉の刃”に、心は傷つき、しばらく画面を見るのも嫌になった」
ヘイトコメントを送り付けてくるユーザーは、アカウントのアイコンや投稿内容から想像できた。たいてい男性ユーザーで、年齢層は40~50代。ロシア人も少なくなかった。極右もいたが、それより多かったのが十字架やキリスト教聖画のアイコンをつけた宗教系ユーザーだった。
「同性愛者は消えろ」
「性倒錯者は地獄の業火に焼かれて死ね」
信心深そうな人たちから投げつけられる激しいコメントの数々。
「神と信仰を人生の指針としている人たちが、こんなに下劣な言葉で人を罵るなんて」
悪意あるコメントは一部のユーザーによるものと分かっているが、複雑な思いだったという。
ヘイト投稿には、マルゴのファンがコメントで反撃した。違反通報もしてくれ、フォロワーとの連帯感が生まれたという。
























