アスベスト(石綿)をはじめとする有害物質の除去作業など、猛暑下でも防護服を脱げない現場に向け、建設資材レンタル大手の日建リース工業(東京都千代田区)は世界初となる、防護性能と冷却機能を一体化した使い切り型の冷却防護服「AsgardPro COOL(アスガードプロ クール)」を年内に投入する。(井部正之)

日建リース工業が年内発売をめざす「陽圧+HEPAフィルター処理」で有害粉じんのばく露を防止しつつ涼しく作業できるという使い切り型の冷却防護服「AsgardPro COOL(アスガードプロ クール)」(同社提供)

◆有害粉じんから防護し冷却

気温35℃以上の猛暑どころか40℃以上の酷暑であっても建設現場の作業は続く。とくにプラスチックシートで覆われ、飛散防止剤の散布により湿気も多い夏場の石綿など有害物質の除去現場は、防じんマスクや防護服を装着することもあって体感温度が50℃超ともいわれる。こうした過酷な現場では、熱中症で倒れることも珍しくないうえ、作業性の低下も著しい。

同社が提案するのは、防護服内をクリーンな空気で陽圧に保つとともに冷却できるという使い切り型の全身防護服。同社によれば、世界初の製品という(2026年7月31日時点の同社調べ)。

その秘密は、防護服の腰部に装着された2つの「冷やす吸気ユニット」と、特許技術という計10個の排気口(逆止弁)の組み合わせにある。

一般的なファン付きウェアは、電動ファンを通じて有害物質を含む外気を侵入させてしまうが、AsgardPro COOLは石綿などの有害粉じんを99.97%以上除去できる「HEPAフィルター」を外気との接触部に装着。「汚染物質を通さず、きれいな空気を取り込みます」と同社は強調する。

防護服の内部にたまった熱気や空気は、一定量を超えると逆流防止の機能を持つ排気口から外部に排気される。防じんマスクで採用されているのと同じ仕組みで、ファンが停止しても、外気が入り込まない構造という。

HEPAフィルターを通して取り込んだクリーンな空気は、防護服内に陽圧の層を形成。これにより有害物質へのばく露を防ぐ。さらに電動ファンと連結したペルチェ素子の冷却プレートにより、「守りながら冷やす」をねらう。

また、高所作業でハーネス(安全帯)を装着すると、ベルトが防護服を背中に押しつけ、空気の流れをせき止めてしまう。これについても「軽量樹脂パッド」を防護服のポケットに入れることで服との間にすき間を確保でき、冷たい空気が背中まで回るという。

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