広場の自由討論で議論するラフサンジャニ支持の青年とアフマディネジャード支持の中年男性。どんなに熱くなっても、喧嘩になることはない。

広場の自由討論で議論するラフサンジャニ支持の青年とアフマディネジャード支持の中年男性。どんなに熱くなっても、喧嘩になることはない。

 

◆第9期イラン大統領選挙(6) ~改革派の敗北
現テヘラン市長マフムード・アフマディネジャード候補が、他の保守派、改革派候補を抑えて第2位の得票数を獲得し、1位のラフサンジャニ師との決戦投票にコマを進めたことは、不正の存在がどれほど取り沙汰されようとも、もはや事実として受け入れるしかない。内務省の選挙管理本部では、一週間後の決選投票開催に向け、着々と準備が進められていた。

アフマディネジャードは、事前の世論調査で他の保守派候補の中で最も人気が低かった。私にとってはノーマークの候補であり、彼の選挙運動への取材も全くしていなかった。

新聞から切り抜いた各候補者のスローガンや発言から、アフマディネジャードのものを改めて読み返してみる。

『イスラムは完全な宗教である』
『イスラムこそが真実の繁栄を導く』
『イスラム政府の義務は正義の確立』
『我々の究極のゴールは、すべてのイスラム規定が固く守られるイスラム政権を樹立すること』

アフマディネジャード候補は選挙戦のさなか、他の保守派候補の唱えるアメリカとの関係改善や女性閣僚の導入といった「浮ついた」政策を掲げることは決してなく、ただひたすらイスラムの価値、イスラム革命の理念を説き続けた。

そんな彼に目もくれなかったのは、私が自由主義陣営の国からやってきた非イスラム教徒だからであり、無意識に彼のような候補を無視していたのかもしれない。それでいて、『人は貧困には耐えられるが、差別と不公平には耐えられない』といった彼の言葉は記憶に残っている。

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