◆キャッルビー派 学生支持集会
選挙戦が始まってちょうど一週間がたった5月27日、テヘラン市内のアーザード大学構内の体育館で、キャッルービー派の学生集会が開かれた。
30度を超える真夏日の午前11時、学生たちで埋まった体育館は熱気と喧騒に包まれていた。改革派学生の愛唱歌「我が学友」の合唱の後は、政治犯として拘束されている学生運動家らの釈放を求め、シュプレヒコールが上がる。人権擁護と政治犯の釈放は、キャッルービー候補が掲げる政策の一つでもある。

講堂の中央にはステージが設けられ、詩の朗読や、人気歌手の歌謡ショーが行なわれた。そしてようやく、煙幕と発炎筒による派手な演出の中、キャルバスチー元テヘラン市長が現れる。キャッルービー候補が当選した場合、彼が第一副大統領に就任することになっている。
「過去4年間にわたって、経済、文化、政治の間違った政策が採られてきた。

国事の改革を推進するため、そして現在我々が抱える環境を変革するため、経済、文化、外交政策の変革、大学や学生たちへの対応の変革、労働者への対応の変革を起こそう!周囲に選挙への参加を促そう!もし選挙を無視するなら、もし自らの力と機会を活用しないなら、我々は4年後も同じ問題、同じ困難に直面しているだろう。家族、友人、周囲のすべてを12日の投票に促し、その日まで選挙の波を高めてゆこう!」

キャッルービー候補のスローガンである「タギイール・変革」という単語を繰り返し叫びながら、キャルバスチー元市長は選挙を盛り上げようと呼びかける。浮動票の獲得を目指すのは、キャッルビー派とて同じことだ。バスィージ(市民動員軍)や革命防衛隊、殉教者団体など確固とした票田を持つアフマディネジャード大統領に勝つためには、キャッルービー派も更なる若者の票が必要だった。
この集会に、当のキャッルービー師は訪れない。キャルバスチー元市長の演説が終わり、帰り始めた学生たちとともに外へ出た。そこで、女子学生の二人組に声をかけてみた。
次のページへ ...

★新着記事