環境省でも、化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応方針について議論した「ExTEND2005リスクコミュニケーション推進検討部会」や、化学物質の環境リスクについて検討する「化学物質と環境円卓会議」はやはり公開で開催している。

では、ほかの検討会では個人情報などについてはどのように扱って公開としているのか。

「個人名や地名を出さないよう処理をすれば問題ないはず。固有名詞がないと議論できないわけではない」と村山教授は指摘する。簡単な話である。

上記の文科省による「リスクコミュニケーションの推進方策に関する検討作業部会」でも事例調査があり、個人情報も扱ったが個人名などを伏せて対応し、「注意を払って議論しており問題ない」(文科省人材政策課)との認識だ。

今回も同じような対応をすれば問題はないはずだ。

だが、環境省大気環境課の担当者は「個人情報が明らかになる可能性がある」などと繰り返すばかりだった。

そもそも今回の検討会が開催されるきっかけとなった「石綿飛散防止専門委員会」でも、固有名詞を伏せるなどして関連した議論が行われており、同省の主張は単なる言い訳といわざるを得ない。つづく【井部正之】<次の2回へ

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