新型コロナウイルス対策の特別措置法や感染症法改正案が2月3日、可決・成立した。10日後の2月13日施行となる。審議は衆参両院でわずか4日間。国会質疑のなかですでに恣意的な運用が可能であることが判明したにもかかわらず、強引に進めるというのだから信じがたい。(井部正之)

2月3日参議院内閣委員会と厚生労働委員会の連合審査会で質問する福島瑞穂議員(社民党)。参議院インターネット中継より

◆国側はあいまいな答弁に終始

今回の法改正で緊急事態宣言のもとでは、都道府県知事が飲食店や劇場などの「施設」に使用制限を「要請」できるうえ、正当な理由なく応じない事業者に「命令」も可能となる。

緊急事態宣言が出されていなくても、政府が指定する「まん延防止等重点措置」の対象地域においては、営業時間の変更などの要請や命令が可能。いずれにおいても行政は立ち入り検査もできる。

そして命令に応じなかったり、立ち入り検査を拒否した事業者に対して、行政罰として30万円以下の過料が設けられた(重点地域の場合20万円以下)。

かねて私権制限として問題になってきたこの罰則規定だが、国会質疑のなかですでに恣意的な運用が可能であることが判明した。

2月3日の参議院内閣委員会と厚生労働委員会の連合審査会では、社民党の福島瑞穂議員が飲食店などへの営業自粛に応じない場合の罰則適用について、与党幹部が緊急事態宣言下にイタリア料理店や東京・銀座のクラブを訪問していたことになぞらえて、「午後8時以降の営業について過料で処罰するということですが、国会議員がイタリアンのお店に行ってねばって9時までいるとお客は処罰されないが、お店は過料の制裁になるということですね」と追及。

内閣官房の審議官は「お客さんのほうで居座っていたというケースは要請には応じていただいているということで過料の対象にならないと思う」と答弁。

福島議員は、「私がお店だったら、お客さんがねばってましたって常に言いますよ。国会議員で追い出せませんでしたっていえば、過料の制裁にならないならおかしい」と批判した。

西村康稔経済再生担当大臣は「正当な理由がなければ、命令、罰則ということになっていく可能性がある。個別にその時々の事情によって判断する」とあいまいな説明に終始した。