JR福知山線脱線事故で車両が衝突したマンションでは、足場が組まれ、改修工事が進む。遺族の声は「撤去」と「保存」に分かれている(2016.4.25撮影/矢野宏)

JR福知山線脱線事故で車両が衝突したマンションでは、足場が組まれ、改修工事が進む。遺族の声は「撤去」と「保存」に分かれている(2016.4.25撮影/矢野宏)

 

それでも、当時40歳の長女を亡くした藤崎光子さん(76)は、「マンションを見ることで事故の悲惨さが伝わります。事故を風化させることなく、次の世代に事故を知ってもらうためにも、現状のままで保存すべきです」と訴えている。だが、工事は18年夏に完成予定で、マンションが現状のまま4.25を迎えるのは今年が最後となる。

一方、107人が犠牲になった惨事にも関わらず、一人も刑事責任を負っていない。業務上過失致死傷罪で強制起訴された歴代3社長も一、二審で無罪判決を受けている。藤崎さんら遺族らは事故などで法人の刑事責任を問えるよう、新たな特別法制定を求める「組織罰を実現する会」を4月23日に発足させた。

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