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【ラングーン(ヤンゴン)を走る市内バス。シュエダゴン・パゴダ(仏塔)の横を通り過ぎる際、乗客の多くはパゴダに向かって手を合わせる】
また、マンダレーでは「タヨウ(中国)です」「シャンル・ミョー(シャン人です)」という返事が返ってくることも多い。
ところが答えの中で時に、「ムスリム」という返事をする人たちがいた。

それは、旧首都ラングーン(ヤンゴン)、北部シャン州の州都タウンジー、南部タニンダリー管区/ビルマ最南端のコータンでのこと。
これはキリスト教徒やヒンズー教徒からの返事ではあり得なかったことだ。
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【ラングーン(ヤンゴン)のムスリム教徒は日に3度、モスクに集まりメッカに向って祈る】
「ムスリム? ところで何人なの?」」って後追いして聞くと、「パキスタン」「マレーシア」「インド」って返してくる。
どうやら一部の人には、意識としては、民族や出身国より先に「宗教」があるらしい。

ちなみに現在の軍事政権(SPDC=国家平和発展評議会)は1997年、軍事クーデターのイメージを払拭するため、その英語呼称を勝手に「ビルマ」から「ミャンマー」変えた。
現地の人は国名変更後しばらく、これまで通り、口語の「バマー(ビルマ人)」を使っていた。
だが、この数年、「バマー」という口語の呼び方は経る傾向で、従来文語で使われていた「ミャンマー(人)」と呼ぶ人が増えてきた。

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