DSC_0877apn.jpg
【観光バスが休憩所に立ち寄る。あらかじめ決められた業者しか観光客に接することが出来ない。観光客に近づく物売りの女性にマイクを持った男が注意をする】
表の通りを歩くと、一見、隣国タイの風景と全く変わらないのんびりとした様子。
このどこが「恐怖におののくビルマ国民」の現実だといえるのか。

アルジャジーラの取材期間は3~5日間だったと聞き及ぶ。その数日間で、どのくらい深くビルマの現状に迫ることができたのだろうか。
疑問である。

その報道を真に受けて、観光客としてビルマ国内に入り、ビルマ人がすごしている日常を目の当たりすると愕然とするだろう。
実際は、ビルマの人びとは恐怖のおののいているのだが、観光客にはその姿はまず見えない。
勢い、報道よりもビルマ軍政のプロパガンダを信じてしまうことになる。
DSCF0925apn.jpg
【観光名所の1つシャン州のインレー湖には、足で櫓を漕ぐインダー族が生活する】
ビルマを訪れた観光客は2006年度、65万人前後。そのうち約43万人が国境を接する中国やタイからの陸路の訪問客であった。
「ヤンゴン国際空港」を経て入国した観光客は、23万人弱ほど。
その内訳は、中国、タイ、日本、韓国と続く。ちなみに日本人の観光客は約1万9000人。

また、観光客のうち個人旅行者は全体の約64%。ツアー会社による団体旅行は22%ほど。
この数字から、いかに個人旅行者のお金が観光産業に影響を及ぼしているのかが分かる。

ホテルやゲストハウスで出会った個人の観光客(オランダ・スイス・イスラエル・日本・イタリア・ベルギー・米国)に、折を見て話しかけてみた。
「どうしてビルマ来たのですか」」「ビルマの軍事政権についてどう思いますか」「観光をボイコットすべきだという意見についてどう思いますか」と。
ほぼ全員が、自分の支払うお金は地元の人に還元されているはずだと信じていた。

オランダから来た男性とは、ビルマでも有数の観光地・インレー湖畔のゲストハウスのバルコニーで、2時間半ほどじっくりと話し込んだ。
次のページへ ...

★新着記事