モニター用ゴーグルの中の画面には、高度やバッテリー残量などを示す数字が表示されていた。自爆兵器が「ゲーム感覚」で操縦できる。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・アジアプレス)

◆「あとは神に祈れ」

前線地帯で小型自爆ドローンに狙われたらどうすればいいのか。「散弾銃で撃ち落とせないなら、茂みに駆け込め、あとは神に祈れ」と兵士は話す。兵士たちが直面するドローン戦の現状を、第28独立機械化旅団の前線拠点で聞いた。全4回 4/4(取材・写真:玉本英子・アジアプレス) 

第28旅団無人システム大隊スパラフ(閃光)の自爆ドローンが、ロシア軍のグヴォズジーカ122mm自走榴弾砲を破壊。複数の機体で繰り返し攻撃している。 (第28独立機械化旅団映像)
短期間に何百機も作戦で「消費」する自爆ドローン。追加補充された新型機体には、光ファイバーケーブルタンクの正しい取り付け方が添付してあった。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)

◆強風と雨、霧に弱い

前々回の記事で別旅団の操縦士は攻撃成功率を8割と話したが、第28旅団のバンデラ操縦士(20)の場合は、6~7割ほどだという。標的が車両の速度や大砲の位置によって成功率が変わり、天候にも左右されると話す。 「いちばん影響を受けるのが天候だ。強風だと機体が風に流される。雨だと電子回路に水が入ってショートする。冷え込んだ霧の日は自機の位置がわからなくなる上に、カメラが水滴や霜で曇って何も見えなくなる。これはロシア軍側のドローン部隊も同じだ。だからといって、霧が立ち込めると塹壕の兵士が一休みできるわけじゃない。双方とも敵機の動きが鈍るから、移動や補給に大忙しになる」

無線式(左)と有線式(右)のFPV自爆ドローン。速度は100km前後の高速で飛ぶ。有線式は無線ジャマーを突破し攻撃できるが、リールタンク、弾頭、バッテリーの総重量は6kgほどになり、速度もわずかに遅くなる。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・アジアプレス)
戦場で15km以上飛行するドローン運用には、無線信号中継アンテナも必要だ。操作信号を送るアンテナは発信位置から場所を探知されて狙われるため、運用班から少し離れた場所に設置する。このほか信号中継用ドローンも使われる。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)

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