2011年に始まった反政府デモをきっかけに、激しい内戦が続く中東のシリア。死者は7万人を越え、国内避難民は300万人といわれるが、市民生活など国内の状況はなかなか伝わってこない。3月下旬から4月上旬にかけて、玉本英子はシリア国内に単独潜入、人民防衛隊、自由シリア軍、シリア国軍、アルカイダ系武装勢力が活動する北東部ハサカ県を取材した。

◆北東部の支配固めるクルド勢力
現在シリア北東部では、シリアのクルド人で組織される「人民防衛隊」(YPG)が各地域で実効支配を進めている。戦闘員は1万5000人超。イラク国境近くに軍事キャンプがあるといわれる。同じく東部で勢力を拡大しつつある反アサド勢力の自由シリア軍と激しい戦闘を繰り広げ、双方に多数の死者がでている。

支配地域内では、戦闘員による検問が行われていた。アリ(23)は地元の村の出身、「クルド人の地位向上のために人民防衛隊への参加を決めた」と話す。(シリア北東部 3月下旬撮影:玉本英子)

 

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