戦闘で小麦粉が届かず、ナンが不足しているカミシュリでは、主食のナンを買うため、市民はパン屋に数時間並ぶか、10倍の値段で闇で買うのかのどちらかしかないという。(シリア・ハサカ県カミシュリ4月上旬撮影 玉本英子)

 

朝6時、まだ薄暗いカミシュリ市内。早朝の閑散とした通りに、パン屋の前だけ人だかりができていた。
戦闘で交通網がたびたび遮断され、小麦粉が町に届かない。そのため主食のナンが不足しているのだ。市民はナンを買うため、パン屋が開く朝6時を待って長い列をつくっていた。

内戦前、25シリアポンド(約30円)で11枚のナンが買えたが、今では6倍に値上がりした。 一人につき売られる枚数が限られているため、17人家族のシャハンさん(48)は一日分のナンを買うため、子どもたち4人を連れて列に並んでいた。

朝6時の開店前のパン屋に並ぶ行列は、カミシュリの朝の風景になってしまった。(シリア・ハサカ県カミシュリ4月上旬撮影 玉本英子)

 

「毎朝3時から並んでいるが、買えないときもある。政府は自分たちの保身しか頭にない。私たちを飢え死にさせるつもりか」
シャハンさんは憤った。
【シリア・ハサカ県カミシュリ 玉本英子】

 

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