ASMLは、シリア国内で密かに放送される地下ラジオ局を支援。組織は5人のメンバーからなり、活動資金は国外のシリア人ビジネスマンや外国NGOから得ている。(写真提供:ASML)

 

映像使用料、著作権についても、きちんとした扱いは取られておらず、国外への映像送信料もテレビ局側が負担してくれないため、すべてボランティアで運営を続けてきた。 こうした経緯から、ASMLは自らのメディア発信の必要性を感じるようになった。

現在、ASMLが支援に力を入れているのは国内から放送される独立系FMラジオ放送だ。電気供給がほとんどないシリアでは、乾電池式のラジオが確実な情報源となっている。3つの局を40人のスタッフが密かに運営している。首都ダマスカスを中心に1日2時間放送され、爆弾事件が起きた地区や被害状況などを伝える詳細な情報は、市民の圧倒的な支持を得ているという。

「アサド政権打倒が私たちの願いだが、政権が崩壊しても宗教紛争など問題が山積みだ。それでもメディアがシリアを変えると信じている。今後も精力的に活動を続けていきたい」
シェムシィさんは笑顔で話した。
【フランス・パリ 玉本英子】

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