戦火のシリアに残る女性の希望になれば、と、トルコに脱出したシリア人避難民らが中心となって女性誌発刊の準備が進む。政治や宗派を越えたすべてのシリア女性たちの心をつなげたい、と「セイディ・スリヤ(レディ・シリア)」誌は今夏の創刊を目指す。写真は編集長スルタン・モハメッド・マラックさん【トルコ南部ガジアンテップ 1月撮影・玉本英子】
戦火のシリアに残る女性の希望になれば、と、トルコに脱出したシリア人避難民らが中心となって女性誌発刊の準備が進む。政治や宗派を越えたすべてのシリア女性たちの心をつなげたい、と「セイディ・スリヤ(レディ・シリア)」誌は今夏の創刊を目指す。写真は編集長スルタン・モハメッド・マラックさん【トルコ南部ガジアンテップ 1月撮影・玉本英子】

「シリアでは、女性は男性と平等のように伝えられるが、それはプロパガンダ。実際、女性たちは虐げられてきた。そして今、イスラム過激派勢力が支配地域を広げ、女性の状況はこれまで以上に悪化している。もっと光を当てていかねば」と、思いを語る。

紙面の内容は、病気時の対応法や、今後シリアの女性たちが経済的にどうやって自立できるのかなど、非常に具体的だ。創刊は夏頃の予定で、ようやく完成したサンプル誌を国内に持ち込もうと準備中だ。

インタビュー中、シリア国内のスタッフからインターネット回線を通してスルタンさんに連絡が入った。ダマスカス郊外の町から、他の町へ逃げようとした市民のうち、政府側の民兵たちによって、男性200人あまりが殺害、女性たち数十人がレイプされたという情報だった。スルタンさんは、手を小刻みに震わせながら、「なんてことだ...」と声を漏らした。

「国民どうしが殺しあう内戦なんて誰も望んではいない。でも誰も止めることができなくなってしまった。それでも、平和への願いはつなぎとめたい。私はシリア国内に残る人たちの力になりたい」
スルタンさんは刷り上ったばかりの紙面を手にしながら話した。

【トルコ南部・ガジアンテップ 玉本英子】

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